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DVD著作権保護に関する
電子透かし技術の標準化/ギャラクシー
DataHiding(TM) image

* この研究プロジェクトは終了し、現在は行っておりません。

1999年2月17日、IBM、NEC、パイオニア、日立、ソニーの5社は、DVD著作権保護のために「ギャラクシー」というグループを結成し、電子透かし技術の開発を行うと発表しました。3月2日には、DVD WaRP(Watermark Review Pane)に対しビデオ電子透かし技術の共同提案を行いました。TRLで研究・開発した電子透かし技術はこのギャラクシーグループの提案のコアとなっています。

DVDコピー保護の背景について

DVDは記憶容量が4.7ギガバイトある持ち運び可能なメディアで、MPEG-2でエンコードした動画を2時間30分録画できます。CDの出現により1988年から1995の間に音楽の売上が急速な延びを示したのと同様に、DVDがホームビデオの市場を拡大してくれることをハリウッドの映画会社は期待しています。しかし、MP3やインターネットはCDオーディオの違法コピーを普及させ音楽市場に損害を与えているように(参照:レコード会社の背景)、違法コピーの普及がDVDのせっかくの潜在的市場を破壊してしまうのではないかと懸念もしています。1996年、MPAA(Motion Picture Association of America)、RIAA(Recording Industry Association of America)、家電メーカー、情報技術会社は、違法コピーからDVDのホームビデオ市場を保護するためのグループ、CPTWG(DVD Copy Protection Technical Working Group)を結成しました。DVD CPTWGは1997年にCSS(Content Scrambling System)と呼ばれる暗号化を用いたDVD著作権保護技術を採用しました。しかし暗号化だけではDVDの出力をアナログ経由で出力すればコピーできてしまうため、人から人へ広がる違法コピーの防止に歯止めをかけることはできません。よって、CSSだけでは違法コピー防止に不充分と判断されました。

IBMが初めて提案した電子透かしに基づく録画・再生コントロール

これに対して、電子透かしはデジタルからアナログへと変換した後でも検出可能です。1996年の9月、TRLはDVD CPTWGに電子透かし技術によるDVDのコピー防止を初めて提案し、TRLの電子透かしが非圧縮状態のビデオからもMPEG-2で圧縮されたビデオからも検出可能であることを示しました。この技術を用いれば、デジタル・ビデオ・コンテンツから検出されたCCI(Copy Control Information)に基づいて、違法コピーや、違法コピーされたビデオの再生を自動的に停止することができます。この新しいフレームワークは、違法コピーに対し直接的で決定的な方策であるにも関わらず消費者のプライバシーは侵害しないという利点を持っています。デジタル電子透かしを用いたそれまでのフレームワークは、「モニタリング」アプローチか「トラッキング」アプローチに基づいていました。それらのアプローチでは消費者の個人情報がデジタル・コンテンツに埋め込まれることが前提とされており、プライバシー保護の観点から望ましいシステムではありませんでした。

DataHiding Application Framework
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DVD CPTWG内に作られたDHSG (Data Hiding Sub Group)

電子透かしによって録音・再生をコントロールする新しいフレームワークでは、消費者のDVD装置で効果的に動作する電子透かし技術の標準化が必要です。1997年5月、DHSG(Data Hiding Sub Group)がDVD CPTWG内に作られ、CFP(Call for Proposals)を発行しました。このCFPは電子透かしに対する要求を定義し、要求の項目を必須項目とそうでない項目に分類しています。必須項目は以下の通りです。

  • 非可視
  • 低コストのデジタル検出
  • 検出は、ソース・データ(非圧縮デジタルビデオ)、MPEG-2圧縮のかかったエレメンタリ・データ、プログラム/トランスポート・ストリーム、ロジカルセクタデータの何れからも可能です。
  • 1世代だけコピーを許可する孫コピーコントロール
  • 低いフォールス・ポジティブ・エラー:400時間の動作でエラーは10秒以上起こらない。(現在、家電メーカーは400時間ではなく31万6890年を主張しています。)信頼性の高い検出
  • 消費者が使用するような標準的なビデオ処理後でも検出可能
  • リーズナブルなライセンス条件
  • 輸出または輸入について制限がないこと
  • 技術的成熟性
  • データ容量:3状態(「コピー禁止」、「1回のみコピー可」、「コピー可能」)、APS用の最低2ビット。
  • コンテンツ作成作業に対する最小限の影響
  • データ速度は最低でも11.08Mb/s
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11の提案は2グループに収束

1997年7月、CFPに対して11社から提案が提出され、それに伴い1997年10月と1998年2月に標準的なサンプルクリップを使った画質テストと耐性テストが行われました。1998年の5月にDHSGはこのフェーズTとフェーズUの中間発表結果を出し、その中でIBMの技術は最高の耐性を勝ち取りました。DHSGの中間発表を受けて、1998年の7月までに11社の提案は3つのグループにまとめられました。すなわちIBMとNECの提案、パイオニア・日立・ソニーの提案、マイクロビジョン・デジマーク・フィリップスの提案でした。TRLの電子透かし技術はこのIBMとNECよる電子透かしのコアになりました。家電メーカーであるパイオニア・日立・ソニーのグループは、電子透かしの画質に最大の関心を持っており、1998年末までにIBM・NECグループと技術評価(とくに画質評価)のためのミーティングを何度も開きました。この結果最終的に、パイオニア・日立・ソニーのグループはIBM・NECの透かしが自動的画質コントロールによって十分な画質を達成しているのを認め、1999年2月に共同でギャラクシー・グループを形成することになりました。

1999年8月の最終テスト

アメリカ合衆国のバーバンクで、DVDの著作権保護を目的とした最終テストがWaRP(Watermark Review Panel)により1999年8月の上旬から始まりました。標準技術確立のための、ギャラクシーグループ(IBM、NEC、パイオニア、日立、ソニー)とミレニアムグループ(マイクロビジョン、デジマーク、フィリップス)の2グループ間で1か月以上もかけて評価テストが行われました。テスト項目には非可視、信頼性、耐久性などの様々なテストが含まれました。

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Last modified 16 Feb 2001